WB金融経済研究所


WB金融経済研究所 <活動報告010> PDF版(82KB)

平成30年12月28日

2018年末の経済展望に代えて


1.ある官庁エコノミストとの会話(要旨)
筆 者 ―  日銀の経済政策が正常化するためにも、2019年も賃上げを期待し、それが消費につながることが必要との考え方ですか。
エコノミスト ―  経済界も賃上げに努力してくれているので、それをいかにして消費支出につなげるかが問題です。消費者が将来への不安からでしょうか、消費に回してくれませんので、政治家がもっとこの消費者心理に働きかけてくれないかなと思っています。
筆 者 ―  実は政治には元来その力はないのですよ。そのうえ、最近政治は入管法改正で賃上げ抑制に繋がる(日本人並みとは言いながら、低賃金の外国人労働者が流入する)ような、逆のことをやっていますよ。
 真面目な話、政治家ではなく、有識者、もっと言えば社会思想家、政治思想家が出て、そのような人が、これからの日本の進む方向や国民の生き方について、成長第一に代わる国民共通の価値観になるような考え方を提示することが必要ではないかと思います。

2.基本的な問題
 上記の会話をきっかけにして、筆者が考えさせられた問題とそのポイントは次のとおり。
 入管法改正は、従来の「技能研修法」と異なり、無期限在留が可能となるため、移民に転化(帰化)する道も容易に考えられる。そうであれば、EUの失敗やシンガポールの用心深さなどを参考に、もっと十分練ったうえで制度化すべきではないか。労働力不足、社会の多様化などの安易な言葉に踊らされてはなるまい。テロや暴力やスパイが横行し始めてからでは手遅れなのだ。
 結局、少子化の行きつくところ、外国人に頼ることになったが、今一度大平総理の時代の「家庭基盤の拡充」の提言に立ち返ってみることが必要ではないか。女性、育児、教育、高齢者を巡る問題を根本的に考えなければならないということである。
 わが国の場合、近隣の中国とロシアの存在を考えるとき、人口の不足を外国人で補うことは他国以上に難しいのではないか。「産めよ、増やせよ」など極端なことを考えるのは無論不適当であるが、例えば育児や教育の一定範囲での無償化など、もう少しバランスの取れた人口の維持政策を考える必要があるのではないか。
 人口のバランスを考えるとき、地方での育児・教育の充実などのために大都市と地方のバランスの取れた経済力の配分も必要となろう。
 日本の政治は、非自民政権の時代に、政治主導(選挙万能)、首相のリーダーシップを過度に強調したことから、今日の政治家、官僚の劣化を招いているが、今一度非自民政権出現の前に立ち返って、誤りは匡していくことが望まれると考える。
(了)


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